映画『ふたりごっこ』公式サイト

STORY

あかり(46)は数年前の交通事故でもうすぐ生まれてくるはずの胎児を亡くして以来、

がらんどうの心身を抱えて生きていた。自宅と職場とスーパーを行き来するルーティンの毎日で、人づきあいは素っ気ない。

ところが、エミコ(17)という野良猫のような少女が居候してしまい、あかりの生活は掻き乱される。

性格も習慣も真逆でぶつかってばかりの二人の唯一の共通点は、母親の愛情を知らずに育ったこと。

ぎくしゃくしながら一緒に暮らすうちに、あかりの目に映る景色が変わっていく…。

CAST

久保寺 淳(御厨あかり役)

米国と台湾での俳優修業を経て海外の映画やドラマにも多数出演するトライリンガル女優。

2018年ヒロインを演じた李榮浩MV『年少有為』は中華圏で大ヒット。
2023年本作品『ふたりごっこ』 と 『過去負う者』(舩橋淳監督)の2本で悲願の主演を果たす。

「あかりとして生きて、改めて”人は人にしか救われない”と実感しました。この映画を観て、身近な人に優しい気持ちになれたり、ひとりよりもふたりがいいなと思ってもらえたら嬉しいです。」

成海 花音(エミコ役)

2002年生まれ。2021年『ブレイブ–群青戦記–』(本広克行監督)でスクリーンデビュー。ドラマ『舞妓さんち䛾まかないさん』、映画『赦し』 『GOLDFISH』等多数出演

吉沢悠宣材写真
吉沢 悠(菅野役)

1998年『青の時代』で鮮烈にデビュー。2003年『動物のお医者さん』で不動の人気を得る。

『星に願いを。』 (2003) から20年ぶりの冨樫組参加。

監督の熱血演出に「全く変わってない(笑)。

こういう現場やっぱりいいですね」と終始笑顔。
あかりの元夫である菅野役に息を吹き込み、難しい役どころを魅力的に生きてくれた。

STAFF

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冨樫 森(監督・プロデューサー)

山形県鶴岡市出身。相米慎二監督の助監督を経て、2001年『非・バランス』で監督デビュー。

主な作品は『ごめん』 『あの空をおぼえてる』 『鉄人28号』等。

2013年 『おしん』 は中国金鶏百花映画祭にて最優秀作品賞及び山路ふみ子賞を受賞。

「この作品のテーマである理不尽な不幸に見舞われた人間の自己回復の物語を、私は映画監督としてずっと考え続けて来ました。険しい道のりですが、他者との出会いと共生の中にしか、その先の希望は有り得ない、そんなメッセージを込めています。」

窪田 信介(脚本)

1967年大阪府生まれ。助監督、制作プロダクション勤務を経て脚本家に。 

主な脚本作品に『深追い』(監督:榎戸耕史/2005),『ボーイ・ミーツ・プサン』 (監督:武正晴/2007),『今夜のメニュー』(『plus one vol.3』の一篇)(監督:冨樫 森/2009),『ビート』(監督:松原信吾/2015),『陰の季節』(監督:榎戸耕史 /2016)等がある。

『やがて水に歸る』(監督:榎戸耕史/2017)は日本シナリオ作 家協会「2017年鑑代表シナリオ」に選出。

鈴木 周一郎(撮影)

1977年東京都生まれ。藤澤順一氏・柴主高秀氏の現場を経た後、佐々木原保 志氏に師事して現在に至る。主な撮影担当作品に『サイモン&タダタカシ』 (監督:小田学/2017),WOWOW「ペンション・メツッァ」(監督:松本佳奈/2021), 『閉じ込めた吐息』(監督:杉田真一/公開待機中),WOWOW「NO MOVIE NO LIFE」(監督:山岸聖太/2018),『しあわせのマスカット』(監督:吉田秋生 /2021),TV「デザイナー渋井直人の休日」(監督:松本佳奈/2019),『殿、利息で ござる』(監督:中村義洋/Bcam/2016),TV「タチオアイの咲く頃に」(監督:タナ ダユキ/2016),TV「東京センチメンタル」(監督:三木康一郎/2016),『あしたに なれば。』(監督:三原光尋/2015),『おしん』(監督:冨樫森/2013)等がある。

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大友 良英(音楽)

1959年横浜生れ。十代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに即興演奏やノイズ的な作品からポップスに至るまで多種多様な音楽をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は100作品を超える。
2008年YCAMでの展示を切っ掛けに「アンサンブルズ」の名のもとさまざまな人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、障害のある子どもたちとの音楽ワークショップや一般参加型のプロジェクトにも力をいれ、2011年の東日本大震災を受け福島で様々な領域で活動をする人々とともにプロジェクトFUKUSHIMA!を立ち上げるなど、音楽におさまらない活動でも注目される。
2012年、プロジェクトFUKUSHIMA ! の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞、2013年には「あまちゃん」の音楽他多岐にわたる活動で東京ドラマアウォード特別賞、レコード大賞作曲賞他数多くの賞を受賞している。
2014年よりアンサンブルズ・アジアのディレクターとしてアジア各国の音楽家のネットワークづくりに奔走。2017年札幌国際芸術祭の芸術監督。2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の音楽を担当。また福島市を代表する夏祭り「わらじまつり」改革のディレクターも務めた。

有難いコメントが届きました!
濱口竜介監督、エドモンド・ヨウ監督からです!!

COMMENT

冒頭から卓抜なショット連鎖に唸らされる。何の台詞もなしに「あかり」という一人の女性の孤独と覚悟が伝わる。その締めくくりとなる遠くに見える街まで歩いてゆくタイトルバックのショットに、頑なさとスレスレの気高さが既に見える。「ふたりごっこ」を織りなすもう一人の女性を示す方法も端的だ。樹の下で栗の実を踏み、それをスマートフォンで撮る。たったそれだけのロングショットが彼女の真の性格を観客に伝える。傷を抱えて孤独に生きる二人の女性は「ふたり」として在ることができるだろうか。それとも単に「ごっこ」に終わるのか。しかしタイトルに込められた皮肉は、作家の真情を覆い隠せてはいない。言葉を超えて人物を捉える冨樫森の眼差しは基本的に冷静だが、ときに衝動に駆られたように動き出す。そして、この映画の本質的な魅力はそこに宿る熱のほうだろう(観客が一番視点を共有しやすいのは、離れた位置からあかりを心配し続ける吉沢悠ではないか)。厳しいが、優しい映画。
濱口竜介 監督
『ドライブ・マイ・カー』『寝ても覚めても』
自分の意志で独り生きることを選んだつもりでも、気づかないうちに寂しさや 侘しさが積もることがある。この物語は、世間の人々や社会から看過され、家 族もいない二人の女性の物語である。二人とも無口で、ほとんど何も語らない。 なぜなら、彼女たちが抱える悲しみは言葉にならないから。将来に望むものも なく、ただ淡々と日々の生活をやり過ごして耐えている。赤の他人同士の二人 がひょんなことから出会い、予想外の絆を深めていく。あかりとエミコが互い を知り合っていく過程で、私たち観客も彼女たちの秘密や心の傷を知ることに なり、ふたりが共に安らぎや仲間意識と希望を見つけていくのを見守るのだ。 冨樫森監督は主人公たちの感情をとても鮮烈に描き出している。二人の女性が 孤独から解放されていくにつれてストーリーが温まり、やがて強く心を打たれ る。また、二人の主演女優(久保寺淳、成海花音)の力強い演技によって支え られている。繊細な層を成している役づくりによって、この物語が満足感の得 られる感情の旅となっている。
エドモンド・ヨウ監督
『ムーンライト・シャドウ』『アケラット ロヒンギャの祈り』

ACCESS

(劇場情報)
シネマノヴェチェント
横浜市西区中央2-1-8 岩崎ビル2F
☎045-548-8712
京浜急行電鉄本線「戸部駅」より徒歩10分
相模鉄道線「西横浜駅」より徒歩10分

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